木材害虫の駆除方法
木材害虫の被害は外見では異常が無いのに、ある日突然木材に穴を開けて木粉と共に虫が飛び出してきて驚くということがほとんどです。木材害虫の多くは生木や貯木時に木材内に侵入し、長い時間をかけて木材内部を穿孔食害しますのでこの様なことになります。カミキリムシ類・タマムシ類・キバチ類は木材を建材として使用した際にはすでに材木内に侵入しており、キクイムシ類は乾燥した材木(主として広葉樹材)の切断面にある導管に産卵し被害を拡大させるほか、ゾウムシ類・シバンムシ類などは水分を含み劣化した木材を加害するなど多様です。
また、虫だけが大量に発生し加害場所が見当たらない場合があります。その場合は、壁の中や天井裏などの目立たない場所で発生している可能性が高くなります。土壁などは骨組みに竹を組んだ竹小舞(竹材の骨組み)の上に土を塗った構造となっています、内部の骨組みに竹を使用していますのでここからタケナガシンクイが発生することがあります。
これら木材害虫の駆除方法としては、成虫の脱出孔や付近の木部に細いドリルで穿孔し薬剤を注入します。薬剤の注入は加害虫の種類や被害状況にもよりますが、(1~数回/月)×数回に分けて薬剤を注入することが必要となる場合もあり、虫孔や薬剤注入用の穿孔穴に木栓で蓋をすることが必要ですので非常に手間と時間がかかります。タケナガシンクイ類は土壁内の竹小舞で発生している場合、土壁を壊し薬剤を処理したり、竹材を交換する事も必要となる事があるので大変大がかりな駆除作業となります。大量に発生した木材害虫の根絶は大変難しく発生した木材はできるだけ廃棄する事が必要です。
木材害虫は種類によって加害材木が異なりますので、発生した材木の種類も重要な情報となります。
さらに、木材害虫の駆除は被害を起こしている虫の種類の特定(同定)も必要となりますので必ず専門業者に依頼してください。
最近では海外に渡航する人が増え海外製の木製家具や調度品なども簡単に輸入できるようになりました。このため、海外で木材害虫の被害を受けた木製品が十分に殺虫処理されないまま国内にもちこまれ、外国産の木材害虫による被害を拡大させてしまう問題がでてきています。家具~小さな小箱まで木製品の購入時には必ず小さな穴が開いていないかよく確認して、穴が開いていた場合は購入しないようにし、輸入品の場合は返品することが必要です。また、購入した輸入木製品から時間をおいて虫が這い出てきた場合は、虫や木粉(糞)を採取し保健所や研究機関、専門業者に必ず相談してください。
オオハキリバチ・クマバチは単独性のハチなので、営巣している個体(♀)を捕獲するか殺虫するとよいのですが、刺されると危険ですので専門業者への依頼をおすすめします。
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