防除方法

防除方法の選びかた

アリ類の防除は難しく、困難な場合が多いので、防除について専門家に相談することをお勧めします。
まず、問題となっているアリ類が家屋内に生息できるアリ類か、屋外から侵入してくるアリ類か判別することが重要です。
それにより対処法が異なる場合があります。
また、羽アリの場合、シロアリの羽アリとしばしば混同する場合がありますが、図1に示すように、触角の形状、胸部と腹部のくびれ、前翅と後翅の大きさが違うことなどから区別できます。
シロアリについては当ホームページの「シロアリ」のペーを参照ください。

ここでは、いくつかの防除方法を紹介しますが、いずれも対症療法となります。

① 殺虫剤を直接巣に散布する方法

屋内に侵入するアリは、餌を運ぶアリを追跡し、巣の入口を見つけ、巣に向かって殺虫剤を吹き付ける方法で、庭先など屋外で営巣する種類に用います。建物内に営巣する種類は営巣場所を特定するのが難しいですが、アリの這い出る、壁の隙間や割れ目など、アリが潜んでいると思われる場所にノズルを用いてその内部に直接噴射します。

② 忌避効果のある薬剤を散布する方法

アリに対する忌避成分のあるピレスロイド系エアゾール剤を窓枠や家の周囲などに吹き付けておくこと、粉末剤を家の周囲に散粉することで、アリの侵入を防ぐことができます。

③ 毒餌を配置する方法

ヒドラメチルノンなどの成分を含有した毒餌をアリの徘徊する場所に配置します。アリは餌を巣に持ち帰り、それを女王や幼虫と分け合うため、巣の場所が特定できなくても、巣を全滅させる可能性があります。

④ 環境整備

建物内に侵入して餌をあさるアリ類に対しては、餌となるものを密閉容器に入れ保管しておきます。すでにアリにたかられた食品などは廃棄します。アリ類は餌を見つけて巣に持ち帰る際、腹端より道しるべフェロモンと呼ばれる物質を床に着けていきます。後続の働きアリはこれを目標に餌にたどり着くため、行列ができます。この道しるべフェロモンは揮発性が高く餌がなくなれば消滅してしまいます。
壁面内などに営巣するアリや屋外から侵入するアリに対して、這い出る隙間をコーキング剤などで封鎖することも有効です。
灯火に誘引される羽アリは発生が一過性の場合が多く、郊外のコンビニエンスストアーなど繰り返し飛来するような場合は、窓から少し離れた場所に電撃殺虫器を設置し、これに誘引させ殺虫する方法もあります。

なお、アルゼンチンアリ、ヒアリ、アカカミアリについては特定外来生物に指定されているため、発見したら地方環境事務所等に通報して対処法を指導してもらうことが必要となります。

シロアリの羽アリ クロアリの羽アリ
シロアリの翅蟻 アリの翅蟻

図1 アリと白蟻の翅蟻の比較

*このページでご紹介した防除方法は1例です。すべての状況において防除効果を保証するものではありません。

 

お問い合わせ、ご相談は、お気軽に当協会事務局へ
03-3254-0014

 

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