1999年に「感染症法」が施行され、東京都ではこれまで24時間365日の体制で行ってきた「伝染病患者の搬送・患者宅の消毒」を実施する東京都防疫所を廃止しました。
このような行政対応の変化を受けて、東京都ペストコントロール協会は「行政に代わって感染症蔓延を防ぐための消毒作業を行うこと」を目的とし「感染症予防衛生隊」を組織しました。
感染症患者宅の消毒作業、デング熱対策としての蚊の広域防除、鳥インフルエンザ対応など、人・獣感染症の防止をはじめ、現在では、地震・台風・異常豪雨・津波などの被災地の衛生対応にも活動を広げ実績を積んできており、環境省の災害廃棄物処理支援ネットワーク(D.Waste-Net)の一員となっています。
東京都ペストコントロール協会は所属する正会員の中から消毒に必要な薬剤・資器材等を揃える「物的要件」と、座学・実習・演習の受講を義務とした「人的要件」を満たすことを登録要件とし、安全に作業ができる体制を整え、都内全域にまたがる22社(2020年4月現在)により「感染症予防衛生隊」を編成しています。
活動実績
2020年 |
新型コロナウイルス消毒で出動 (公社)日本ペストコントロール協会は政府の要請により中国・武漢市から帰国した約180人が一時滞在していた千葉県の勝浦ホテル三日月で2月15日から館内の消毒作業を行いました。この様子はNHK、全国紙で報道されました。 また、厚生労働省や東京都からの要請に応じ、クルーズ船の乗員、乗客の受け入れ施設、海外より帰国され結果が判明するまでの間待機するためのホテル、さらに軽症者の宿泊療養のためのホテル、患者移送救急車・ヘリコプター、民間施設などの消毒に出動しました。
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2019年 | 2020東京オリンピック・パラリンピックを見据えたデングウイルス感染蚊の駆除訓練 9月2日、新宿御苑において当協会の技術委員、感染症委員11名により蚊成虫駆除の演習を行いました。
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2018年 | 感染症発生時の消毒作業 幼稚園で「細菌性赤痢」が発生、保健所の依頼により感染症予防衛生隊2社が出動し園内トイレの殺菌消毒を実施しました。
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2017年 |
殺虫剤の模擬散布試験 有事に備え、模擬散布試験を東京都薬用植物園にて実施しました。
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2016年 | 新潟県鳥インフルエンザ消毒作業支援 上越市の養鶏場で発生したH5型の高病原性鳥インフルエンザに対し、新潟県は新潟県PCO協会に車両消毒を委託しました。 |
2014年 | 代々木公園からデング熱の国内発生 代々木公園で蚊に刺された女性がデング熱を発症、69年ぶりの国内発生となり、薬剤散布を5回に渡り実施し収束となりました。 |
2013年 |
大島土砂災害 台風26号による記録的大雨に見舞われた伊豆大島で大規模な土砂災害が発生し、東京都大島町長の要請を受け、11月8・9日の2日間、被災家屋35軒に対し、消毒作業を実施しました。
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2011年 | 東日本大震災 日本及び東京都ペストコントロール協会は、5月5日~10月末日までの約6か月間に、主な被災地15市町村に対して全国から約9000人余りが出動しハエ・カの駆除を実施しました。 |